もし効率よく仕事を進めたいと考えたら 2016年5月12日 at 1:57 PM

ある人生の達人が仕事を能率的にすすめるコツを問われて、「とにかく午前十時まで愉快にやってごらんなさい。あとはひとりでにうまくいくよ」と答えたそうですが、早朝の時間をどう使うかは、このように、その日一日の調子を定める重要な問題なのです。 どんなばあいでも一日二〇分ないし三〇分を節約する簡単な方法がある。それは、朝目をさましたらすぐとび起きる習慣をつけることだ。目をさましながら床のなかでぐずぐずしていることは、どんなに遅れまいと思っても、必ず遅れるもととなるものです。すすんで起床するための工央もちろん、だれでもその人なりにすすんで起床するためのいろんな工夫はしているだろう。たとえばすすんで起床するために、こんな工夫をしている人もいる。 

「私はまず床のなかで、その日にしなければならない仕事のうちで、最も楽しく愉快な仕事について考えてみることにしています。もし嫌なことをまっ先に考えたら、床から起きだしたくないようなばあいでも、この方法を試みれば、即座に起床しようとする意欲とエネルギーが与えられます」 寝る前に目ざまし時計を備えたラジオをベッドの傍に置いておく人もたくさんいる。こうしておけば、さわやかな気持のよい音楽で目をさまさせてくれるうえに、ニュースまで聞かせてくれるから、たとえば数分間よけいに寝床に入っていたとしても、最新のニュースをおおよそ知ることができるし、おまけに、今朝はどの服にしようかなどと迷うことのないように、その日の天気予報までも知ることができる。 

しかし、どう努力してもなかなかすぐにはベッドを飛び出せないという人も意外に多いものだ。私もその一人だが、ことに寒い冬の朝などはI〇分や一五分はつい床のなかでぐずぐずしてしまう。 私はこの時間のロスを取りもどすために、枕もとの時計をいつも二〇分ほどすすめておくことにしているが、そのほかにも、このぐずぐずしている間に、その日一日の活動予定を考えるとか、その日が原稿を書く日だったら、その構想を練ることに費やすことにしている。だから私の枕もとには、このようにして思いついたことをすぐ書きとれるように、メモ用紙と鉛筆を必ず用意しておくことにしている。 

イギリスの名宰相といわれたウィンストンーチャーチルも寝起きの悪いたちだったらしく、毎朝七時から八時の間に目をさますが、ベッドのなかで枕によりかかったまま、一〇種類ぐらいの新聞にひととおり目を通す。そして九時から昼までは、ベッドに横になったままいろいろな指図をすることにしていたが、彼はいつも、「坐ってすまされるときに立っているのは馬鹿げている、寝ていてよいときに坐るのは滑稽だ」と語っていたそうです。 要するに、どうしても床を離れるのがつらいばあいには、床のなかにいる時間を無駄にしないで、なにか有意義なことにその時間を活用することだ。 朝、手間どらないためには…… ところで、朝目をさましてすぐ起床したとしても、われわれが朝の日課にあてだ時間を浪費するようになる原因に、洗面に手間どるという問題がある。洗面所を上手に使うことが必要です。

たとえばいつも使う歯磨とか剃刀とかは手近なところに、ひんぱんに使わないものは上の棚とか後ろのほうにおくというように整頓しておくことです。 衣服を着ることも朝の日課のうちで最も時間のかかることのひとつですが、この時間を浪費しないためには、翌朝着るものを前夜のうちに決めておき、必要なものはすべて手近に置いておくことです。 

前夜このようなものを準備するために使う一分一分は、翌朝になって三倍にも四倍にも値し、そのために毎日一〇分や一五分は楽に節約できるはずです。 身支度の手順を変えてみるのも一法です。ある能率研究家はワイシャツのボタンをかけるのに上から下のほうへとかけていくのと下から上のほうへとかけていくのとの所要時間をはかってみたところ、後者のほうが三秒間速いことを発見したそうです。これはすこしこまかすぎるかもしれないが、われわれは身支度をするのにとかくマンネリズムにおちいっていて、そのためにぐずぐずしていることが多いのですから、ときにはその手順を変えてみるのも身支度をすばやくするのに役立つことがある。 

身につける小物は整理箱を利用して全部それに入れておくのも、時間を節約するうえでおおいに役立つ。家に帰って着替えをするときに、財布、鍵、カフスボタン、ネクタイピン、手帳、懐中鏡、ちり紙といった、服のポケットに入れておいたものを全部整理箱のなかにもどしておくのです。こうしておけば、朝になってそのようなものを搜しだす手間が省けるし、家を出る前にこのようなものを改めてポケットに入れ直すことは、清新な気分を保つうえでも効果的です。